日本に3ヶ月以上滞在する場合は、健康保険への加入が義務付けられています。
制度の仕組みを理解しておくことで、高額な医療費を避け、必要なときに適切な医療を受けることができます。
この簡単ガイドでは、日本の健康保険の基本を分かりやすく解説し、安心して制度を利用できるようサポートします。
日本で健康保険が必要な人
日本では健康保険への加入は義務であり、ほとんどの居住者にとって必須です。
働いている方、学生の方、長期滞在している方も、公的な健康保険に加入しなければなりません。対象となるのは以下の方々です:
- 3ヶ月を超えて日本に滞在する外国人居住者
- 日本企業でフルタイム勤務している従業員
- フリーランス、パートタイム労働者、自営業者
- 日本の学校や大学に在学中の留学生
- 住民登録している失業中の方
- 被保険者の配偶者や扶養家族
これらのいずれかに該当する場合は、状況に応じて国民健康保険(NHI)または社会保険(Shakai Hoken)のいずれかに加入する必要があります。
主な健康保険の種類
日本には2つの主要な公的健康保険制度があります。どちらに加入するかは、あなたの雇用状況や居住状況によって決まります。
それぞれの概要は以下の通りです:
国民健康保険(NHI / 国民健康保険)
- 学生、パートタイム労働者、フリーランス、失業中の方が対象
- 各市区町村の役所が運営
- 保険料は所得に応じて全額自己負担
- お住まいの市区町村役所で直接申し込み
社会保険(Shakai Hoken / 社会保険)
- 企業の正社員が対象
- 勤務先が手続きを担当
- 保険料は会社と本人で分担
- 年金やその他の給付も含まれる
健康保険でカバーされる内容
日本の健康保険制度では、幅広い必須医療サービスがカバーされています。主な対象となる医療内容を、簡単な説明とともにご紹介します。
- 診察・通院 – 一般的な健康診断や専門医による診察、外来治療が対象です。
- 入院 – 病室料、手術費、入院治療が含まれます。
- 処方薬 – 医師が処方する多くの薬が保険の対象です。
- 歯科治療 – 歯のクリーニングや虫歯治療、抜歯など基本的な処置が含まれます。
- 出産関連サービス – 妊婦健診や出産にかかる医療費の一部がカバーされます。
- メンタルヘルス – 指定医療機関での精神科診察や治療も利用できます。
- 救急医療 – 救急車による搬送や緊急治療も保険対象です。
- リハビリテーション – 医師の指示によるリハビリや機能回復の治療が必要に応じてカバーされます。
申請方法
日本の健康保険への加入方法は、あなたの雇用状況や在留資格によって異なります。
手続き自体はシンプルですが、日本に到着したり新しい仕事を始めた後はできるだけ早く対応する必要があります。状況別の申請方法は以下の通りです。
国民健康保険(NHI)
- 申請先: お住まいの市区町村役所
- 持参するもの: 在留カード、マイナンバーカードまたは通知カード、パスポート
- 申請期限: 日本に転入または資格変更から14日以内
- 対象者: フリーランス、学生、パートタイマー、無職の方
社会保険(健康保険・厚生年金)
- 申請先: 勤務先(会社)が手続きを行います
- 申請方法: 必要な個人書類を人事担当へ提出
- 申請時期: 入社後すぐ
- 対象者: 正社員、会社員
月額保険料と支払い方法
日本では、健康保険の保険料は就業状況や収入によって異なります。主な2種類について説明します。
国民健康保険(NHI / 国民健康保険)
- 対象者:自営業、パートタイム労働者、学生、無職の方など。
- 保険料の算出方法:前年の所得と、加入世帯の人数に基づいて決まります。
主な費用例:
- 前年に所得がなかった場合、月額2,000~3,000円程度になることがあります。
- 所得申告をしない場合、月額1万円前後の標準的な請求書が届くことがあります。
支払い方法:
- 毎月、納付書が郵送されてきます。
- 銀行、郵便局、コンビニ、または口座振替で支払いが可能です。
社会保険(社員健康保険 / 社会保険)
- 対象者:会社の正社員。
- 保険料の算出方法:毎月の給与額をもとに計算されます。
主な費用例:
- 20~40歳の方:月給の約9.93%が健康保険料。
- 40~65歳の方:月給の約11.58%(介護保険料込み)。
- 年金(厚生年金):月給の約18.3%。
- いずれも企業と従業員が半分ずつ負担します。
支払い方法:
- 毎月の給与から自動的に天引きされます。
保険証(ほけんしょう)
日本で健康保険に加入すると、保険証が交付されます。
このカードは保険加入の証明書であり、病院やクリニック、薬局を利用する際には毎回提示が必要です。ここで大切なポイントをまとめます:
何か:
- 日本の公的健康保険に加入していることを示す個人識別用カードです。
取得時期:
- 国民健康保険または社会保険に加入して間もなく発行されます。
使い方:
- 医療機関の受付で、診察や治療を受ける前に提示してください。
重要な理由:
- 保険証がない場合は、医療費を一時的に全額(100%)自己負担しなければなりません(保険証があれば通常3割負担)。
カードに記載されている内容:
- 氏名、保険者番号、被保険者番号、有効期間など。
更新が必要なとき:
- 引っ越しや転職、保険の種類変更があった際は、古い保険証を返却し、新しいものを受け取る必要があります。
紛失・破損時:
- 市区町村の窓口や勤務先に報告し、再発行を申請してください。
追加の経済的支援
日本では、特定の医療状況に対して追加の経済的支援が用意されています。
医療費が高額になった場合や、出産などの特別な出来事があった場合、これらの制度が負担を軽減します。主な制度は以下の通りです。
高額療養費制度(Kōgaku Ryōyōhi Seido)
- 月ごとの医療費が一定額を超えた場合、超過分が払い戻されます。
- 治療後、加入している保険者を通じて申請します。
出産一時金(Shussan Ichi-ji Kin)
- 出産費用として約42万円が一度支給されます。
- 保険加入者で認定医療機関で出産した場合が対象です。
葬祭費補助
- 通常5万円程度が、葬儀費用の助成として支給されます。
- 被保険者が亡くなられた場合、ご家族が申請できます。
医療費控除(税制上の優遇)
- 高額な医療費の一部は確定申告時に控除申請が可能です。
- 領収書や関連書類を保管し、申告時に提出してください。
低所得世帯への支援
- 所得が低い場合、保険料が減額や免除される場合があります。
- お住まいの市区町村役所で申請を行ってください。
外国人留学生・短期滞在者の保険カバーについて
日本に留学生や短期滞在者として来る場合、公的医療保険への加入はビザの種類や滞在期間によって異なります。
以下は、留学生・短期滞在者向けの保険カバーの仕組みです:
外国人留学生(ビザが3か月以上)
- 国民健康保険(NHI)への加入が義務付けられています。
- 住所登録後、市区町村役場で申請します。
- 加入後は、日本人住民と同じく医療費の7割が保険でカバーされます。
奨学金受給者・交換留学生
- プログラムによっては民間保険や補助金が利用できる場合もあります。
- 追加のカバーがあるかどうか、学校に確認しましょう。
短期滞在者(3か月未満の滞在)
- 公的医療保険には加入できません。
- 渡日前に海外旅行保険や民間の医療保険に加入が必要です。
短期ビザ保持者(観光・ビジネスなど)
- NHIや社会保険には加入できません。
- 医療費は全て民間保険での対応となります。
申請時に必要なもの(学生の場合)
- 在留カード、パスポート、学生証、マイナンバー
まとめ
日本の健康保険制度を理解することは、しっかりと保障を受け、予期しない医療費を避けるためにとても重要です。
働く方はもちろん、学生や長期滞在者の方も、自分に合った保険に加入することで、安心して医療を受けられます。
今すぐ行動して、適切な保険に登録し、保険の更新も忘れずに行いましょう。